Mino Soilの形のスタディは、土を掘り起こすという引き算の考え方と、3Dプリンティングによる制作という足し算の考え方からはじめました。生物を模したような形は、伝統的なセラミックの文化と、コンテンポラリー・デジタル・クラフトという二つの世界を表しています。有機的という考え方は私たちのスタジオが常に追求している課題のひとつです。つまりデジタルがどのように見えうるのか、そしてそれを人間とその感覚、そして私たちが属している自然に近づけることです。
プランターと花瓶は、土と植物の塊茎、球根、地下茎を統合したものからインスピレーションを得たものです。塊茎(じゃがいも、きくいも、さつまいもなど)と球根(ニンニク、チューリップ、アマリリスなど)は地下茎が地面のなかで膨らんだ構造です。そのなかにエネルギーを蓄え、さらなる成長のための栄養の貯蔵庫の役割を果たしています。土が栄養を分け与え、塊茎の居場所を与えるのと同じように、デジタルで制作された球根型の花瓶はMino Soilの土を含んでいます。そうして植物や野菜や花の栄養を蓄える貯蔵庫となるのです。