藤口諒太 
録音家。映画を始め、様々な録音に携わる。それらの経験を通じ、録音という行為そのものを、社会的論点を記録すると同時に、多種多様な人々との接続を可能にする手段と捉え、メディアとして用いている。自ら録音した音や既存の録音物から構成される作品は、現代社会のなかで不可視化された諸問題や、歴史の流れのなかで消えていった無名の人々の存在を聴覚的に浮かび上がらせる。パフォーマンス作品では、観客が創り出した音を録音・その場でフィードバックすることで、直接的に観客の時間及び空間、ひいては現実社会に対する意識を喚起させるような介入を試みる。