最初に、土がありました。岐阜県美濃地方に住む人々は、その土を陶土として器をつくり、やがて長い時間の中でさまざまな文化や産業を生み出していきます。ものづくりを核として人が集まり、村は街になり、都市ができあがりました。形をもたない原料から、人と自然との豊かな営みが育まれていったのです。
 美濃地方でスタートしたブランド「MINO SOIL」による最初のエキシビション「Archaeology of Mino」では、インドの建築事務所スタジオ・ムンバイとコラボレーションし、陶磁産業の原点である土と鉱山をテーマに空間を構成します。現在、誰もが土から生まれたものを日常的に使っていますが、鉱山の様子やそこで採れる土を目にすることはめったにありません。展示会場では、美濃地方の多様な土を用いた純粋形態のオブジェにより、素材に秘められた原初的な存在感と美しさを表現。釉薬などを使わず、人の手や自然の力などで素材を変化させて、それぞれの状態がもつ魅力を引き出します。またフォトグラファーの高野ユリカによる鉱山の写真を配置し、美濃地方のものづくりの原風景を追体験させます。鉱山で見られる地層は、数千万年という時間が今も地面の下に眠り続けている証です。
 土とは地球の歴史そのものであり、人もまた地球の一部として生きてきました。「Archaeology of Mino」展では、土と人がともに大きなサイクルの中に存在することの大切さを、誰もが意識することでしょう。